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お茶の種類、それぞれのお茶が持つ味や香りの特徴

お茶の種類、それぞれのお茶が持つ味や香りの特徴

皆さんは普段、どんな飲み物を口にしていますか?最近では、お茶離れ、急須離れという言葉をよく見かける一方、お茶という言葉を知らない日本人はおそらく殆どいないと思います。幼い頃もしくは、ご実家では今でも食卓に急須が並んでいるという方も少なくないかもしれません。日本人に、馴染みの深い飲み物であるお茶。今回は改めて、お茶の種類と特徴について、ご紹介していきたいと思います。

※茶の間では、各農家さんが作る、多種多彩なお茶を楽しむことができます。一般的な煎茶だけでなく、紅茶、烏龍茶、ほうじ茶などさまざま……。ぜひ、足を運んでみてくださいね!

目次

1.お茶の種類は大きく分けて3種類!その特徴とは?
 1-1.緑茶(不発酵茶)
 1-2.発酵茶(紅茶)
 1-3.半発酵茶
2.人気のお茶の種類と特徴!

 

お茶の種類は大きく分けて3種類!その特徴とは?

お茶の葉には酸化酵素があり、発酵という言葉は茶の葉が持っている酵素を働かせることを意味します。世界中のあらゆる茶は、摘んで茶を製造する際に、酵素の働きを止めるための加熱処理を行いますが、この加熱処理をいつ行うかにより、「不発酵茶」「発酵茶」「半発酵茶」の3つに分類されます。

 

緑茶(不発酵茶)

緑茶

摘んできた生の茶葉を、できる限り早く「煮る」「蒸す」「炒る」などの各方法で加熱し、酵素の働きを止めることで出来る茶が不発酵茶(緑茶)です。日本では蒸して酵素を止める「蒸し製緑茶」が多く作られていますが、茶の起源と言われる中国をはじめ、世界の殆どの国や地域では釜で炒って酵素を止める「炒り製緑茶」が作られています。 日本の緑茶が蒸し製法なのは単純な理由で、古から伝わる方法が伝承されているから。奈良時代から鎌倉時代にかけて、中国の唐や宋に渡った仏僧達が持ち帰ったお茶の製造方法が、蒸して酵素を止める蒸し製。その方法を現代まで続けているのです。一方、中国では明の王朝の頃から釜で炒って酵素を止める方法が主流となり、今に続いています。世界的にも釜炒り製法が広まっていったことを受け、島国日本を除く多くの国が釜炒り製法となっているのです。日本の緑茶の歴史をもう少し続けると、伝来当時のお茶の種類は、今で言う抹茶に近いものでした。当時は蒸した葉をすり鉢などで細かく砕いて型に入れ乾燥させた固形茶と呼ばれるもので、板チョコのような形状のものでした。これを薬研で細かな粉にして、熱湯で立てて飲むというのが、当時の習わし。 時代が進み、江戸時代に蒸した葉を揉んで乾かす製法、「青柳製法」と呼ばれるものが確立し、今の煎茶や玉露の原型に近づいていったと言われています。さらに明治に入って、宇治でお茶の形を、ピンと張った針のように整える技法「宇治製法」が生み出され現在の煎茶の形状になりました。 蒸して乾かす点は千年以上変わらずとも、お茶の形状は時代に合わせて変化してきたため、日本の緑茶は多くの種類が生まれました。

 

発酵茶(紅茶)

紅茶

緑茶のように酸化酵素の働きをすぐに止める茶もあれば、酵素の働きを利用して味や香りを生み出すお茶もあります。酵素の働きをどの程度利用するかによってお茶の種類は変わりますが、十分に利用して発酵させたお茶を「発酵茶」といい、これがいわゆる紅茶です。 紅茶は20カ国以上でつくられており、世界全体で作られるお茶の全生産量のおよそ7割を占めています。実は地球上では、紅茶のほうが緑茶よりもたくさん飲まれているのです。紅茶は生産国やその産地によって「〇〇ティー」と呼ばれることがあります。 例えば「セイロンティー」というと、セイロン島、つまりスリランカで作られた紅茶を指します。「アッサムティー」といえば、インドのアッサム地方で作られた紅茶のことです。京都の宇治で作るお茶を「宇治茶」と呼ぶのに近い感覚ですね。 これらの中でも、インドのダージリン、スリランカのウバ、中国のキーモンが世界三大紅茶として有名です。 紅茶は、産地の気候や風土によって、品質や香りが異なるという特徴があります。 インドの紅茶は、茶葉の種類も豊富です。主な産地としてヒマラヤ山脈の麓にある大産地・アッサムやヒマラヤ山脈中腹の名産地・ダージリン、南インドの新産地・ニルギリなどがあり、それぞれ個性がはっきり生まれます。スリランカの紅茶は、セイロンティーと呼ばれ、世界有数の紅茶消費国・英国御用達の高品質な紅茶です。比較的マイルドな風味とされ、産地としてはウバやディンブラ、ヌワラエリアなどが代表的です。味、香り、色のバランスがよいという特徴があります。お茶発祥の国・中国は紅茶の発祥国でもあります。現地では「紅茶(ホンチャ)」と言い、緑茶やウ-ロン茶のようにストレートティーとして何煎も楽しめる紅茶が多くあります。産地ではないのですが、イギリスは紅茶文化発祥の地と言われています。中国で紅茶の作り方が開発されたきっかけはイギリスが茶を大量に購入したからですし、インドやスリランカでの紅茶栽培はイギリスの植民地経営の中で始まったことを考えると、イギリスなしで今の紅茶世界は語れません。紅茶の消費量も世界トップクラスを誇るため、歴史のある有名な紅茶ブランドが豊富です。紅茶選びに迷った際には、イギリスの紅茶ブランドを探してみるのも良いでしょう。他にも、日本や台湾、ネパールやマレーシア、インドネシアやブラジル、マダガスカル島でも紅茶は作られており、日本で作られる紅茶を和紅茶と呼ぶ向きもあり、人気が出てきました。

 

半発酵茶

酸化酵素の働きをどの程度利用するかによってお茶の種類は変わる、と述べましたが、「半発酵茶」はまさにその最たる例です。大まかに言えば、「不発酵茶=緑茶」、「発酵茶=紅茶」以外のほぼ全てが「半発酵茶」となります。 「半発酵茶」の中でも、一番有名なのは烏龍茶です。とは言うものの、緑茶や紅茶のように、半発酵茶=烏龍茶でもないのが難しいところ。発酵の具合によって様々な名前のお茶に枝分かれしていきます。 これらのお茶のほとんどは中国で作られているのですが、中国ではカラフルな色でお茶の種類を六種に分類することがあります。 発酵の弱い順に「緑茶」・「白茶」・「黄茶」・「青茶」・「紅茶」ときて、最後に麹菌などの微生物で後から発酵する「黒茶」となっています。 半発酵の明確な定義はないのですが、先に説明した「緑茶」と「紅茶」、「黒茶」を覗いた「白」と「黄」と「青」のお茶が広い意味でみた「半発酵茶」になるでしょう。緑茶よりも発酵を進ませた弱発酵茶は白茶(パイチャ)と呼ばれます。中国の福建省で多く生産され、発酵度が浅い状態で自然乾燥させる製造方法です。果物の香りに例えられることが多く、代表銘柄には、銀針白毫(ギンシンハクゴウ)や白牡丹(パイムータン)があります。 発酵の程度が白茶より高いお茶が弱後発酵茶の黄茶(ホァンチャ/ファンチャ)で、荒茶の製造工程中に発酵させます。君山銀針(クンザンギンシン)や蒙頂黄芽(モウチョウコウガ)が代表的です。 日本でもおなじみのウーロン茶は半発酵茶で、青茶(チンチャ)に分類されます。代表的な銘柄は、凍頂烏龍(トウチョウウーロン)や大紅袍(ダイコウホウ)です。同じ半発酵茶でも発酵度合いが軽い文山包種茶(ブンサンホウシュチャ)という、台湾で作られているお茶もあります。

 

人気のお茶の種類と特徴!

どこでも比較的手に入りやすく、そして飲みやすい人気のお茶を種類別にご紹介します。

玉露(不発酵茶)

緑茶の一種である玉露は、祝いごとの贈答品やみやげとしても贈られることが多いお茶で、優しい甘みと深みのあるコクが特徴です。 カフェインが多く含まれ、その量はコーヒーよりも多いといわれています。その他の成分には、カテキンとテアニン、ビタミンCとEが含まれており、リラックスタイムにおすすめのお茶といえるでしょう。 出典:「日本食品標準成分表 16 し好飲料類」(文部科学省)

ほうじ茶(再加工茶)

さっぱりとして香ばしい味が普段の食事によく合う、茶色いお茶です。焙じることでタンニンが飛ぶのでカフェインの量が少なくなります。飲みやすいため、大人だけでなく小さな子どもやお年寄りなど、多くの方に好まれます。 テアニンとクロロフィル、カテキン、ビタミンC・Eが主な成分です。 出典:「日本食品標準成分表 16 し好飲料類」(文部科学省)

ウーロン茶(半発酵茶)

香りがよく、さっぱりしていることから、揚げ物のような油を多く使った食事との相性が抜群のお茶です。 ポリフェノールが多く含まれていることが特徴で、カテキンとテアニン、カフェイン、ビタミンB・B2も含有されています。 出典:「日本食品標準成分表 16 し好飲料類」(文部科学省)

玄米茶

玄米茶は、玄米に緑茶を混ぜてつくられたお茶のことです。炒った玄米が使用されているので、香ばしい味わいをしています。 ビタミンが豊富で、ガンマオリザノールやGABAも含まれたカフェインが少なめのお茶です。 出典:「日本食品標準成分表 16 し好飲料類」(文部科学省)

まとめ

普段何気なく口にしているお茶でも、種類ごとに特徴や味が異なります。お茶の種類を知ることで、気分やシーンに合わせたお茶選びができるようになるといいですね。ぜひ、参考にしてみてください。

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