日本茶の新しい楽しみ方「シングルオリジン」をご存じでしょうか?シングルオリジンとは「同じ農園で作られた単一品種の茶葉」のことを指します。 この言葉は、コーヒーの世界で用いられていましたが、最近ではお茶の世界でもシングルオリジンという言葉が使われるようになりました。では、シングルオリジンのお茶は具体的にどのような違いがあるのか、シングルオリジンの日本茶についてご紹介します。
シングルオリジンとは?
まず、シングルオリジンとは何なのかについて詳しくご紹介します。
シングルオリジンとは下記条件で栽培された茶葉のことを指します。お茶の業界で昔から用いられている「自園自製」「生産直売」といった言葉もこのシングルオリジンと似た意味を持っています。
【シングルオリジンの条件】
・単一農園で作られる
・単一品種の茶葉
シングルオリジンのポイントは、茶葉の栽培から製造までの過程において、生産者自らが、味や香りにテーマを持たせることが可能である、という点にあります。コーヒー・紅茶・チョコレートなど様々な食材で、シングルオリジンという概念は既にあり、生産から一貫したテーマを持って、最終製品となり販売されています。これまで、あまり目に止めなかったシングルオリジンの食材を手にとってみてはいかがでしょうか。
普通のお茶との違いは?
現在、流通する多くのお茶は、複数の茶園で栽培された茶葉同士を混ぜ合わせて作られています。理由は、ブレンドすることで均一で安定した香り、味に仕上げるためです。製造方法の過程によってブレンドされたお茶は、個性が失われる反面、一定の需要に対する安定的な供給を可能にしてきました。
シングルオリジンはまさに逆で、単一の農園、単一の種類によって作られ、最終製品化されるため、土地の違いや品種、造り手である茶師それぞれが持つ個性が最大限に活かされます。よって、シングルオリジンのお茶はブレンドされたお茶よりも、個性的で、味、香りに幅がある独特の風味を醸すお茶になるとされています。
シングルオリジンのお茶の味とは?
シングルオリジンはブレンドされた製法のお茶よりも個性が強いとお伝えしましたが、具体的には、どのような違いが生まれるのでしょうか?
シングルオリジンのお茶の味について解説します。
シングルオリジンのお茶の味わいの特徴
前述のとおり、シングルオリジンのお茶の特徴は、茶葉の個性を前面に出ている点にあります。苦みが強いもの、渋みが強いもの、旨味や甘味が強いものなど、作り手の嗜好により、茶葉の個性はさまざま。通常のブレンドを想定して作られた茶葉よりも、作家性が強いとも言えます。また、一煎から三煎まで、香りと味わいの変化が強いものが多いのもシングルオリジンの特徴です。
熱湯で淹れるのか、ぬるめの湯で淹れるのか、水で淹れるのかなど、温度によっても味わいが大きく変化します。湯温や抽出時間の違いを試して、自分好みの味、香りを探求できるのもシングルオリジンこその楽しみ方だと言えるでしょう。
シングルオリジンのお茶はどこで楽しめる?
個性や味・香りの変化を楽しめるシングルオリジンのお茶。まだまだ一般的ではないため、どこで購入したらよいかわからないという方も多いでしょう。最後にシングルオリジンのお茶の楽しみ方、これぞシングルオリジンと呼べる茶葉をご紹介します。
カフェでシングルオリジンのお茶を楽しむ
シングルオリジンのお茶を楽しむためには、まずは日本茶に専門性を持って提供しているカフェに訪れるのがおすすめです。全国には多くのお茶専門のカフェがあり、さまざまなシングルオリジンを取り扱う店舗があります。お店の方に相談すれば、好みに合わせておすすめのシングルオリジンのお茶を紹介してくれるので、初心者の方はまずはカフェで味わってみてはいかがでしょうか。
何度か通いながら、自分の好きな茶葉や淹れ方を見つけると、シングルオリジンの魅力がより深く理解できるはずです。また、上質なシングルオリジンのお茶を、お好きな和菓子やスイーツと合わせ、自分だけのペアリングを探してみるのも楽しいかと思います。
家でシングルオリジンのお茶を楽しむ
シングルオリジンの茶葉は、生産者さんのHPなどで購入できます。気になるものや試してみたい茶葉がある場合は、ネット通販で購入してみても良いでしょう。
茶葉の個性や製造方法などが細かく記載されているため、自分の好みをじっくりと検討して購入できます。日本茶好きの友人や知人への贈り物としても喜ばれるのではないでしょうか。
まとめ
シングルオリジンのお茶は、複数の農園の茶葉をブレンドする一般流通しているお茶とは一線を画すものです。日本茶の新しい楽しみ方として、昨今じわじわと注目されています。日本茶が好きで、新しい味わいを探求してみたい方、味の好みがはっきりしており、一般的なお茶の味に少し物足りなさを感じている方は、ぜひ一度シングルオリジンのお茶を試してみてはいかがでしょうか。