香ばしさが特徴のほうじ茶は、寒くなってくる秋から冬にかけての定番アイテムです。独特の味わいと温もりのある液色は、心と体を温めてくれる存在、そんなほうじ茶も、実は緑茶のように冷茶でおいしく飲む方法があることをご存じでしょうか。じっくり水出ししても、香ばしさをしっかりと味わうことが出来ます。今回は、秋冬のイメージが強いほうじ茶の、おいしく水出しする方法を、ご紹介します。
おいしい水出しほうじ茶の淹れ方
暑い日に飲みたいお茶と言えば、麦茶を思い浮かべる方が多いかもしれません。また、近年は水出しの緑茶を使用する家庭も多く、ティーバッグタイプを中心に手軽に冷茶を味わうシーンが増えています。実はほうじ茶も、水出しでおいしく飲めるお茶のひとつです。簡単な手順で淹れられるため、ほうじ茶が好きな方はぜひ試してみてください。
ほうじ茶を水出しで淹れる場合に必要なアイテムは、以下の3つです。
①ティーバッグ
②1リットルの水
③冷水用の容器
ティーバッグは、水出し専用のものが販売されていますが、通常のものでもじっくり時間をかければ、味わい豊かなお茶になります。ティーバッグが出し入れしやすいよう、口の広いものがベストです。
【淹れ方】
じっくり時間をかけて抽出することがポイントの水出し。 基本的な手順は、以下のとおりです。
①冷水用の容器にティーバッグを入れる
②1リットルの水を上から注ぐ
③数十分~1時間ほど置くと完成
水を沸騰させたり、抽出中に混ぜる必要はありません。茶葉からうま味が抽出されるのをじっくり待ちます。そのまま飲んでも美味しく楽しめますが、香ばしさをより楽しみたい方には、こちらのアレンジレシピがおすすめ。
水出しをしたほうじ茶にミルクとシロップを加えた、アイスミルクほうじ茶です。独特の香ばしさにミルクの優しさが加わり、カフェオレに近い味わいになります。カフェインの摂取量を減らしたい方にもおすすめ。ぜひ、アイスミルクほうじ茶を試してみてください。
水出しでほうじ茶を作るときの注意点
透明なグラスに注いだとき、お茶がきれいに透き通っていると見た目にも涼しさを感じることができます。水出しほうじ茶は、作った後に行うワンポイントで、お茶の透明感を長く保たせることが可能です。ポイントは水出しほうじ茶を作った後、ティーバッグをすぐに取り出すこと。
おいしさや成分を最後まで抽出しようとティーバッグを入れっぱなしにしている方がいますが、おいしさと色を保つため、早めに取り出してください。茶葉は時間が経つにつれ、変質や腐敗が始まります。入れたままにするとほうじ茶がさらに傷みやすくなるため、必ずティーバッグを取り除いた状態で保管しましょう。
とくに夏場は変質が早いため注意。常温で置かず、冷蔵庫で保存し、1日以内に飲み切ることをおすすめします。
水出しほうじ茶のうれしいポイント!
水出しほうじ茶は、暑い日にも独特の香ばしさを楽しめる点に加えて、うれしい成分が二つ含まれています。最後に、ほうじ茶を水出しで飲むメリットを紹介します。
水出しすると、カフェインがさらに減る可能性がある
カフェインが気になってお茶やコーヒーを控えてしまうという方にうれしい話。水出しほうじ茶は、カフェインの少ないお茶であるということです。ほうじ茶はもともと茶葉を焙じており、焙じの過程で、カフェインが揮発し、カフェイン含有量が少ない茶が仕上がります。水出しほうじ茶による正確な研究データはありませんが、緑茶での検証例によると、低温で淹れた場合のカフェイン溶出量が少ないというデータが存在します。ほうじ茶は緑茶の茶葉を焙じて作られるため、カフェイン含有量についても、同様の過程を辿ると考えられます。
タンニンも同様に減る可能性がある
お茶の魅力のひとつでもあるタンニンによる渋みですが、渋みが苦手な方もいるのではないでしょうか。タンニンは、高温のお湯で抽出するほど溶け出しやすい特徴をもっており、そのため、水出しで作られたほうじ茶のタンニンは、お湯で淹れた場合と比較し、少なくなることが期待できます。
こちらもカフェインと同じく水出しほうじ茶での正確な研究データはありません。しかし、緑茶では低温で淹れるとタンニン溶出量が少なくなったという実験結果が存在するため、ほうじ茶にも同様のことが考えられます。
まとめ
水から時間をかけて茶葉のうま味を抽出するため、独特の香ばしさとおいしさが生まれる水出しほうじ茶。お湯で抽出する場合と比較し、カフェインやタンニンが出にくくなると考えられるため、苦味が得意でない方でも、飲みやすいと言えます。冷たい水出し用に仕上げたほうじ茶もあり、茶の茎の部分だけを丁寧に焙じることで生まれる、渋みのない、香ばしさと甘さが魅力です。当サイトで運営する茶の間でも提供される一杯。水出しほうじ茶を楽しむ際にぜひ、ご検討ください。