ほうじ茶に含まれるカフェイン量は?

ほうじ茶に含まれるカフェイン量は?

目次


1.ほうじ茶とは
2.ほうじ茶にはカフェインが含まれているの?
3.ほうじ茶のカフェインは他の種類のお茶と比べて少ないの?
4.ほうじ茶に含まれるカフェインが気になる日常ケース3選
5.低カフェイン、ノンカフェインでおすすめのほうじ茶
6.まとめ

ほうじ茶とは

ほうじ茶は香ばしい香りと味わいが特徴です。スイーツやラテなどのフレーバーで目にする機会が増えたほうじ茶。簡単に説明すると、緑茶を焙じて(焙煎)したお茶のことです。火を入れることで、緑色の葉が褐色した茶色に変化し、水の色も麦茶や烏龍茶のような茶色になります。また、焙じることでお茶に含まれるタンニンと呼ばれる苦味の成分が揮発するため、渋さや苦味が少なく、香ばしさが際立ちます。


ほうじ茶にはカフェインが含まれているの?

結論から言うと、ほうじ茶にはカフェインが含まれています。ほうじ茶を作る過程で、タンニンとともにカフェインも揮発しますが、0ではありません。コーヒーに比べてはるかに少ない量ですが、お茶の木、葉から作られているほうじ茶にはカフェインが微量に含まれているのです。


ほうじ茶のカフェインは他の種類のお茶と比べて少ないの?

ほうじ茶には、液体100mlあたり20mgのカフェインが含まれています。全体の比率で言うと0.02%です。普段使っている茶器を目安にすると、次のような量になります。
・湯呑み(約120ml)でほうじ茶を飲む場合:カフェイン量24mg
・マグカップ(約250ml)でほうじ茶を飲む場合:カフェイン量50mg

では、他の種類のお茶、飲み物と比べたら、どうでしょうか。<h2>
お茶の種類/100ml当たりに含まれるカフェイン量は以下の通りです。

玉露/160mg
コーヒー/60mg
紅茶/30mg
煎茶/20mg
烏龍茶/20mg
ほうじ茶/20mg
玄米茶/10mg
麦茶/10mg

玉露はほうじ茶の8倍、コーヒーはほうじ茶の3倍、紅茶はほうじ茶の1.5倍のカフェインが含まれています。一般的に飲まれている煎茶や烏龍茶とは同程度、反対に、番茶や玄米茶のカフェイン量はほうじ茶の半分で、麦茶はカフェインゼロです。

では、ほうじ茶のカフェインが少ないと思われる理由は何でしょうか。
その理由は、ほうじ茶の製法にあります。ほうじ茶は、緑茶を強火で炒って作るお茶です。緑茶は、その収穫時期によって名前が異なります。
一番茶=新茶:4月〜5月に摘まれる各年のお茶。1年のうちで最も質が良いと言われ、甘い爽やかな香りが特徴。二番茶:5〜6月ごろに摘採されるお茶。三番茶:二番茶の収穫の1ヶ月後に摘採されるお茶。秋冬番茶:秋以降に摘採されるお茶。
新茶はその年の一番上質なお茶として扱われ、相対的に高値で取引されます。淡い萌黄色の葉を生かすため、蒸して煎茶として商品化されることが多いです。反対に、焙じて作るほうじ茶づくりの多くは、二番茶以降の葉が使われます。二番茶以降、徐々にカテキン含有量が増え、緑茶として飲むと、苦味が強くなってきます。
二番茶以降は、カテキンが増えていく一方、カフェイン量は徐々に減っていきます。さらに、茶葉を炒ることでカフェインの量も減少するため、ほうじ茶のカフェイン量が少ない、と言われているのです。


ほうじ茶に含まれるカフェインが気になるケース3選

1. 妊娠中の女性:1日200mg〜250mg
2. 子供  :4歳〜12歳→45mg〜85mg未満/1日、13歳以上→2.5mg/kg体重未満/1日
3. 就寝前. :摂取を控えた方が良い
※量の目安は各種機関が異なる数値を出しており、上記数値が絶対的基準ではないことをご理解ください。詳しくは各章で解説します。


1. 妊娠中の女性

妊娠中の方のカフェイン摂取については、大量摂取は厳禁ですが、禁止する必要がある訳ではありません。1日にほうじ茶2杯程度であれば、影響は少ないと言えるかと思います。
カフェイン摂取により妊婦さん自身の体や胎児への影響が出るとされていますが、推奨さ量を超えない量であれば、影響を与える可能性は低いからです。
では、カフェイン摂取に伴い、身体に影響が出る量とはどの程度のものでしょうか。
カフェイン摂取による妊婦さん自身の変化は以下のようなものが起きると言われています。
• めまい
• 心拍数の増加
• 吐き気
• イライラ
• 震え
• 不眠症
カフェイン摂取量が1日300mg以上(ほうじ茶を湯呑みで飲んで12杯分)の妊婦さんは、流産リスクが2倍になり、コーヒー1日8杯以上で死産のリスクが上がるとも言われています。ただし、これらは大量に摂取した場合の話。体質やかだらの大きさは個人差があるため、全員がほうじ茶を飲んで良いかとは言い切れませんが、ほうじ茶は1日2杯程度、またデカフェやカフェインレスのものであれば、妊婦さんでもほうじ茶を飲むことができます。


2. 子供

子どものカフェイン摂取は、成長や健康に対する影響があるため、大量摂取は控えた方が良いです。大量摂取を控えた方がいい理由は、子どもがカフェインを多くとると、次のような影響があるとされているからです。
· 眠れなくなる
· 疲労感を感じる
· 脳の発育を邪魔する可能性がある
· 集中力が低下する
· 落ち着きがなくなる
ですが、子どもだからカフェインを全く摂取してはいけないというわけではありません。子どもにも、ノンカフェインのほうじ茶であれば摂取量を気にせず飲ませることができますし、デカフェやカフェインレスのほうじ茶なら摂取量が調整できるのでおすすめです。


3. 就寝前

カフェインが脳に覚醒効果をもたらすことは、周知の事実かと思います。睡眠を遠ざけてしまっては日々の仕事や生活に影響が出るため、カフェインを避けているという方も珍しくありません。実際、カフェインは就寝前6時間以内は飲まない方が良いとされています。カフェインの代謝にも量、スピードに個人差がありますが、夕食時やそれ以降のほうじ茶の摂取は控えた方が良いということかもしれません。どうしても飲みたい方には、ノンカフェイン、カフェインレスのほうじ茶をおすすめします。


低カフェイン、ノンカフェインでおすすめのほうじ茶

ほうじ茶にもカフェインが含まれており、カフェインが気になるケースについてもお伝えしました。ここで巷で言われている「ノンカフェイン」「デカフェ」「カフェインレス」の違いがわからない方もいると思いますので、整理していきます。
「ノンカフェイン」「デカフェ」「カフェインレス」の違いは、下記の通りです。

ノンカフェイン
カフェインを全く含んでいないもの

デカフェ
もともとカフェインを含むものからカフェインを取り除いたもの(100%は取り除けないため、カフェインを少量含んでいる)

カフェインレス
カフェイン含有量が少ないもの(少量のカフェインを含んでいる)


ほうじ茶を飲むときに、カフェインを絶対に摂取したくないのであれば、ノンカフェイン一択です。少量のカフェインを摂取してもいい場合は、デカフェもしくはカフェインレスのほうじ茶を選びましょう。ただし、ノンカフェインほうじ茶の商品はあまり多くありません。理由は、ほうじ茶の原料にあります。基本的にほうじ茶は緑茶と同じチャノキ(学名:カメリア=シネンシス)という植物の茶葉を原料として作られており、収穫された緑茶の茶葉時点でカフェインが含まれています。もともとカフェインが入っている原料なので、焙煎しほうじ茶にする工程は、カフェインを取り除いていくことに等しく、「デカフェ」となります。ゆえにどうしてもカフェインゼロ(=ノンカフェイン)にはできないのです。よって、世にあるノンカフェインのほうじ茶は、一般的に言われている緑茶ではなく、ハーブやその他の茶外茶というもので出来ています。

少しくらいならカフェインをとっても大丈夫、という人は、デカフェもしくはカフェインレスのほうじ茶を選びましょう。


まとめ

ほうじ茶には原料の段階でカフェインが含まれており、その含有量は100ml当たり20mgです。コーヒー、紅茶と比べると少量ですが、カフェインが含まれていることには違いないので、カフェインレスやノンカフェインのお茶を、ご自身の体調や気分、そして一緒に飲む相手のことを考えながら、取り入れていくのも楽しいかもしれません。
この記事を読んで、あなたの生活にピッタリのほうじ茶が見つかり、一人でも多くの素敵な一服が増えることを願っています。
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